モバイルアプリは、企業にとって顧客とのコミュニケーションや販売促進に欠かせない存在となっています。しかし、iOSとAndroid向けのアプリを別々に開発すると、一貫性を保つのが難しく、コストと時間がかかります。限られたリソースで効果的にアプリを開発し、市場に投入するために注目されているのが、Googleが開発したオープンソースのUI開発ツール「Flutter」です。Flutterと同様にクロスプラットフォーム開発を可能にするフレームワークとして、Facebook製の「React Native」もありますが、本記事では、企業の経営者がアプリ開発にFlutterを選ぶ理由について、React Nativeとの比較を交えながら、5つの観点から解説します。

1. コスト

通常、アプリを作成しようとする場合、iPhone, iPad用のアプリとAndroid用のアプリの2種類を開発する必要があります。それぞれ、SwiftとKotlinという全く別のプログラミング言語を使うため、2つのアプリ開発チームが必要になります。さらに、管理者用のウェブ画面も必要です。ウェブ用にはさらに別の1チームが必要になり、これらのチーム間のコミュニケーションをまとめていく必要もあります。このことから、相当な人員が必要であることが容易に想像できます。

Flutterは、もともとiOSとAndroidのアプリを同じコードベースで開発できるクロスプラットフォームのフレームワークとして発表されました。現在では、モバイルアプリだけでなく、Web、Windows、Mac、Linux上で動くアプリを同時に開発できます。つまり、一つのチームで、iOSとAndroid用のアプリ、そして管理用ウェブアプリを一気に作成できます。コードを共有できるため、一貫性を保つのも容易になります。

一方、React NativeでもiOSとAndroidでの開発ができますが、ウェブ用には React を用いることになります。書き方は似てはいますが、コードを共有することはあまりできません。

それで、Flutterでは開発人員を大幅にでき、費用を抑えることができます。

2. 生産性

2.1 Dart の静的型付け

Flutterを使ったアプリ開発では、生産性の向上が大きなメリットの1つです。Flutterは、Googleが開発したDartというプログラミング言語を使用しています。Dartは、発表当時は人気がなかったものの、徐々に改善が加えられ、今や人気の言語となっています。シンプルで習得しやすい文法があり、soundな型システムを持っています。そのため、コンパイル時に多くのエラーを発見でき、バグの少ないアプリ開発に役立ちます。Dartはオブジェクト指向と関数型の両方の側面を備えていることも開発生産性向上に寄与しています。

2.2 Flutter の HotReload

Flutter には HotReload という、状態を保持したままUIを更新できる機能があります。従来の開発手法では、コードを修正するたびにアプリを再ビルドし、エミュレータや実機で動作を確認する必要がありました。この作業には時間がかかるため、開発のスピードが落ちてしまいます。しかし、Hot Reloadを使えば、わずか数秒でコードの変更を反映できるため、開発のスピードを大幅に上げることができます。

3. 優れた品質

モバイルアプリの開発において、パフォーマンスとユーザーエクスペリエンスは非常に重要な要素です。ユーザーは、アプリが快適に動作し、UIが美しいものを望んでいます。Flutterは、60fpsでのネイティブアプリに匹敵する高いパフォーマンスを実現しています。

Flutter に備えられているマテリアルデザインのウィジェットを使ってスピード重視のUI開発も可能です。あるいは、細部にこだわった好みのUIを作成することも可能です。

まとめ

以上のように、Flutterは企業のアプリ開発において、コスト、品質、生産性などの面で優れたメリットを提供します。特に、開発コストの削減と開発期間の短縮は、経営者にとって非常に魅力的な要素といえるでしょう。

経営者としてFlutterの導入を検討することで、競争力のあるアプリ開発が可能になるはずです。

株式会社ファイナイトフィールドでは、Flutterを用いたアプリ開発が可能です。お問い合わせはこちらまで。